◆正しく恐れる◆ 府中町が埋め立てようとしている「永田池」の保存を訴え、12月定例会で一般質問しました(12月21日)。池は船越峠へ抜ける県道沿い、新幹線のトンネルすぐ下。旧西国街道にも沿ってたたずむ町の歴史的ランドマークです。

 埋め立ての理由は、①地震などで決壊すると住宅地が浸水する②農業用として不要-というもの。県の補助を受け約4200万円の予算が付きました。ところが池は市街地で貴重な親水空間です。環境団体が清掃活動し、自然観察会や水辺のコンサートなどを開催。国交省「みどりの愛護功労」大臣賞も受けているだけに、残念がる声噴出です。

 江戸時代に造られた池の堤は現代になって大幅に改変され、コンクリート擁壁、舗装道路、新幹線橋脚も加わって決壊の恐れはほとんどありません。堤の上には3階建てマンションが建ち始め、業者は「震度7にも耐えられる」と宣伝です。もちろん地盤調査し建築確認が下りています。土木の専門家は一目で「決壊しない」と言います。

 それでも埋め立て予算が付いたのは、他のため池が権利関係の複雑さによって着手しにくい中、永田池に私有地がなく町管理だったこともあるようです。財源は「緊急自然災害防止対策事業債」という借金。7割が地方交付税でバックされるため、自治体負担は3割ですむ有利なメニューです。ちょっと緩い国の土建財布として人気ですが、本当に危ない切迫箇所に回せないのかと思います。

 農業機能がなくなっても公園機能は重要です。一般質問では「まずは土木工学の面から決壊可能性を正しく恐れた上で、将来も潤いの場として活用する方針を立てよう」と訴えました。町答弁は前進なしですが、予定外の水質検査などもあって本年度の工事執行は見送りが決まっています。計画を見直すチャンスだと思います。

 12月定例会の一般質問では、休職が増加している町職員のメンタルヘルス対策についてもただしました。

道路、橋の画像のようです
永田池を親水公園に(2021年12月21日)

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