◆田中提案また否決◆
わが府中町議会では、会議の録音データを議会報特別委員以外の一般議員に開示しないルール(議会運営等に関する要綱第83条)が定められています。いかにも時代遅れで不透明なので、田中は2日の議会運営委員会で「要綱を改定し、一般議員や住民にも録音を公開すべし」と提案しましたが、賛成者はなく否決されました。町民の皆さんには、これまで通りの非公開が続きます。
録音データが非公開なのは「正式な会議録や議会報を作るための補助手段だから」とされ、事務局やテープ起こし業者、議会報委員だけが聴き直すことができます。一般議員や町民が会議内容を確認するには数ヶ月後に出来る会議録や議会報を待たねばなりません。これではホットな論戦や議題も冷めてしまいます。
おまけに録音データは「議事録が出来たら消去する」とも定められています。議場での微妙な発言や生々しい議事進行の様子を聞き直すことはできません。せっかく住民が議会を身近に感じるためのデータなのに、死蔵、滅失されるのです。
もちろんインターネット配信が実施されれば、不開示ルールは意味をなさなくなります。わが府中町議会はネット配信が遅れているのだから、せめて音声データの開示をしなければ県内で最も時代遅れな議会の一つのままだ。-と田中は訴え、最近の情報公開や公文書管理の動きも説明したのですが、賛成意見はありませんでした。
以前の議長選や倫理条例をめぐる強行採決を田中が批判していることもあってか「音声を後で検証すると紛争になるのでは」という懸念の声がありました。逆にある委員からは「かつて『言った』『言わない』で争いになった時、こっそり録音を聴き直して解決した」という秘話も飛び出しました。しかし多くの委員は「開示を急ぐ必要はない。ネット配信まで待てばいい」との意向でした。
かくして手間もカネもかからない議会改革の一つ「録音データ開示」は、お預けです。田中の力不足、申し訳ありません。(2021年4月10日)